プログラミング言語はどうやって作られた?その歴史を紐解く【後編】

プログラミング言語はどうやって作られた?その歴史を紐解く【後編】

プログラミング言語の歴史は、年代別だけでなく世代別に分けることも可能です。世代別に歴史を見ていくことで、プログラミング言語がどのように進化してきたかがわかります。

本記事では、プログラミング言語の歴史の他、現在も需要が高く人気のあるJavaScript、PHP、Javaの由来と特徴も併せて紹介します。

目次

【進化の過程】世代で見るプログラミング言語の歴史

【進化の過程】世代で見るプログラミング言語の歴史

この項目では、プログラミング言語を世代別に分けて紹介します。

内容は以下のとおりです。

  • 第1世代「機械言語」
  • 第2世代「アセンブリ言語」
  • 第3世代「手続き型言語」
  • 第4世代「高水準言語」

1つずつ解説します。

第1世代「機械言語」

プログラミング言語の第1世代は「機械言語」です。コンピュータが直接理解するための言語であり、人間が理解するのは困難です。

機械言語は、数字の0や1をならべて「11000011」のように記述します。このように、数字の0や1をならべるものをバイナリーコードと言います。

年代で言うと、第1世代はプログラミング言語の黎明期とも言える1940年代以前が該当するでしょう。

機械言語は、現在ではほとんど使われることはなく、この第1世代以降、人間にも理解できるプログラミング言語が開発されていきます。

第2世代「アセンブリ言語」

プログラミング言語の第2世代は「アセンブリ言語」です。機械言語をより人間に理解しやすくし、扱いやすくしています。

たとえば、機械言語で引き算を「101000」と記述するとき、代わりに「SUB」を使うなど命令単位でわかりやすく置き換えます。SUBは英語で引き算の「subtract」のことです。

アセンブリ言語はストレートに機械言語へ翻訳できるので実行速度が非常に速いですが、現代のIT業界で使われることはほとんどありません。現在の開発現場で使われているプログラミング言語のほとんどは高水準言語です。アセンブリ言語や機械言語のようにコンピュータが理解するのに適した低水準言語が開発現場で使われるのは稀です。

そのため、アセンブリ言語を学ぶことはコンピュータやCPUへの理解を深めるものの、実務レベルではほとんど不要の知識と言えるでしょう。

年代で言うと、第2世代は1940年代から1950年代前半に該当するでしょう。

第3世代「手続き型言語」

プログラミング言語の第3世代は「手続き型言語」です。ただ人によっては、第3世代に次項で紹介する高水準言語を挙げる人もいます。

手続き型言語の代表例は以下のとおりです。

  • C言語
    汎用性の高い言語で、ソフトウェアの開発からハードウェアの開発まで幅広く利用されている
  • COBOL
    事務処理用のプログラミング言語として有名。現在でも一部で利用されている
  • Perl
    テキスト処理に優れており、組み合わせるだけで簡単に効率よく実装できる。機能性・拡張性にも優れた言語
  • BASIC
    初心者向けの言語で知られる。より自然に近い「INPUT」や「PRINT」のような単語を使えるようになったのもこの言語からと言われる

年代で言うと、第3世代は1960年代から1980年代後半に該当するでしょう。

また手続き型言語ではないものの、1960年代に開発された有名な言語であるFORTRANも年代的に第3世代に含まれると考えられます。

第4世代「高水準言語」

プログラミング言語の第4世代は「高水準言語」です。第4世代の言語は「4th generation language」と呼ばれ、「4GL」と略されることもあります。

第3世代以降に台頭してきたJava・PHP・Pythonなどがその代表例です。それまで使われてきたプログラミング言語にさらに機能を追加し、より人間が理解しやすい構文で書ける言語になっています。

関数や変数といった便利な仕組みを多数備えているのも大きな特徴です。第4世代は、第3世代の言語をより洗練させたものと言えます。

また、第4世代の言語は以下のように3つに分類されることもあります。

  • 非手続き型言語
  • オブジェクト指向言語
  • 軽量プログラミング言語

非手続き型言語

非手続き型言語は手続き型言語のように順番に処理を実行するのではなく、処理の手順に関係なく実行されるのが特徴です。

代表的な言語にJavaSQLがあります。

オブジェクト指向言語

オブジェクト指向言語は、オブジェクト指向(関連性のあるデータ・メソッドをクラスにまとめて管理する手法)を基準に設計したものです。

プログラムを簡単に記述できるため、人間の思考に近い表現が可能です。

代表的な言語にJavaPythonがあります。

軽量プログラミング言語

軽量プログラミング言語は、習得するのが比較的簡単と考えられるプログラミング言語の総称になります。

軽量プログラミング言語の代表例は以下のとおりです。

  • PHP
  • Ruby
  • JavaScript
  • HTML
  • CSS

上記のうちPHP、Ruby、JavaScriptはスクリプト言語に分類され、HTML、CSSはマークアップ言語に分類されます。

スクリプト言語は可読性が高く、実行までの難易度が低いので初心者に扱いやすい言語です。

マークアップ言語は視覚表現や文章構造などを記述するための言語です。

今、需要が高いとされるプログラミング言語の由来と特徴を紹介

今、需要が高いとされるプログラミング言語の由来と特徴を紹介

この項目では、需要の高いプログラミング言語の由来や特徴について紹介します。

内容は以下のとおりです。

  • 「プログラム」という単語の語源
  • JavaScriptの由来と特徴
  • PHPの由来と特徴
  • Javaの由来と特徴

1つずつ解説します。

「プログラム」という単語の語源

プログラミングのプログラムは、ギリシャ語の「プログランマ」が語源だと言われています。プログランマには、通達・掲示・議題という意味があります。

プログランマは動詞の「プログラフォー」からきていて、この単語は前と言う意味の「プロ」と、書くという意味の「グラフォー」が組み合わさってできています。

「前に書く=みんなの前に示す書き物」と言う意味に解釈され、「プログラフォー→プログランマ→プログラム」となり、現在に至るようです。

JavaScriptの由来と特徴

JavaScriptの由来は、当時すでに人気のプログラミング言語であったJavaの人気にあやかり、マーケティングの一貫として命名されたと言われています。

アメリカのネットスケープコミュニケーションズ社が1995年に開発しました。

JavaScriptの前身として、「Netscape Navigator 2.0」というブラウザに実装された「LiveScript」というプログラミング言語があります。この言語が1995年に改名されてJavaScriptになりました。

それまではHTMLとCSSのみの静的なWebサイトが主流でしたが、JavaScriptが登場したことによりWebサイトに動きを付けることが可能になりました。そして、その後の1997年に国際標準化団体「ECMAインターナショナル」によって標準技術になっています。

JavaScriptは、入力フォームを設置したり、ポップアップウインドウを表示したりなどWebサイトにリッチな機能を持たせるために欠かせない言語です。そのため、「jQuery」のようなライブラリなども開発され、さらに使いやすくなっていきました。

PHPの由来と特徴

PHPはもともと、個人向けホームページを作成するためのツールという意味である「Personal Home Page Tools」の略だと言われています。そこからPHPの普及拡大にともなって、Hypertextの前処理系の意味である「PHP Hypertext Preprocessor」の略に後付けで変更されたと言われています。

PHPはラスマス・ラードフ氏が生み出したプログラミング言語で、JavaScriptと同じ1995年ごろに誕生しました。人気の度合いも、JavaScriptと同様に今も根強いものがあります。

Web開発に特化したプログラミング言語で、以下のような特徴があります。

  • 構文がシンプルなので記述しやすい
  • インターネットで情報を得やすい
  • 環境構築が簡単
  • さまざまなOS・Webサーバーに対応できる
  • データベースとの連携も容易
  • フレームワーク・ライブラリが豊富
  • 学習コストが低いため初心者も学びやすい

PHPの人気の秘密は、やはりその需要の高さと学びやすさでしょう。実際、世界の約7割のWebサイトに使われていると言われています。

参照:W³Techs Web Technology Surveys「Historical trends in the usage statistics of server-side programming languages for websites」https://w3techs.com/technologies/history_overview/programming_language

Javaの由来と特徴

Javaの由来にはさまざまな説があります。

1つ目は、ジャワコーヒーで有名なインドネシアのジャワ島が由来であるという説です。設計者がコーヒーを飲んでいるときにひらめいたと言われています。

2つ目は、「Oak」と名付けていたところ、すでに商標で使われていたためコーヒーのブランドから取ってJavaという名称に変えたという説です。開発メンバーが贔屓にしていたコーヒーショップで命名されたと言われています。

3つ目は「James Gosling, Arthur Van Hoff, and Andy Bechtolsheim」の略、もしくは「Just Another Vague Acronym」の略と言う説です。

このように、Javaの由来にはさまざまな説があります。誕生したのは1996年で、開発したのはSun Microsystems社です。C++、Pythonとならんで、Google三大言語のひとつに数えられます。

Javaは、基本的に環境を選ばず利用できるのが大きな特徴です。システム開発・Web開発・アプリケーション開発など、さまざまな用途で使えます。中でも、大企業の大規模システム開発やAndroidアプリの開発が得意と言われています。

まとめ

まとめ

プログラミング言語の歴史は進化の歴史です。機械言語が誕生して以降、さまざまな進化を重ねてより洗練されてきました。

その中でも、幅広い場所で需要がある言語や大規模な開発の場で需要のある言語など、言語によって求められる場所が分かれています。

これから自分が学ぶプログラミング言語を選ぶなら、思い描くキャリアパスと照らし合わせつつ需要が高い言語を選んでください。需要が高い言語を習得すれば、生かせる場所も多いので就職・転職に有利になるでしょう。

CyTechでは、HTML/CSS、JavaScript、PHPなどを中心に体系的に学べる学習プラットフォームです。ぜひプログラミング言語の歴史を知った上で、これを機に学習を始めてみませんか。

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著者情報

Webライター4年目。Webマーケティングが得意ジャンル。Webマーケ系は250本以上執筆。企業ブログでの執筆実績多数。不動産関連記事、金融系記事も鋭意執筆中。コピーライティング・セールスライティング案件も絶賛受付中!2級FP技能士・宅建士持ってます。自分を一言で表すと「歴史大好き」

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