一般的に、未経験からITエンジニアに挑戦するのは難易度が高いと言われます。ただ実際、「何がそんなに難しいのか?」を知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、未経験でITエンジニアになるのが難しい理由を紹介し、これを踏まえ、学習方法や転職時のポイントなどを詳しく解説します。

未経験でITエンジニアになるのが難しいとされる主な理由

未経験でITエンジニアになるのは難しいとよく言われます。この項目では、その理由を紹介します。
内容は以下のとおりです。
- プログラミングとシステム回りの知識の習得が必須
- 目に見える実績が求められる
- 実質の年齢制限がある
- 企業の未経験者募集が減り経験者採用が主流になっている
1つずつ解説します。
プログラミング知識とシステム回りの知識の習得が必須
ITエンジニアには、実務に必要なプログラミングの知識とシステム回りの知識の習得が必須です。このテクニカルな部分の習得の難しさが、未経験でITエンジニアになるハードルを上げています。
ITエンジニアに必要な知識やスキルを身に付けるのが難しい理由は以下のとおりです。
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- そもそも、何から始めればいいのか見当がつかない
- 「プログラミングは難しい」という苦手意識を持っている
- プログラミング言語の種類が多過ぎて選べない
(自分が学ぶべき言語がわからない) - コードをすべて理解しよう、暗記しようとしてしまいがち
(学習している時点ですべてを理解・暗記するのは不可能に近い) - コードを書くという段階まで進めない
(参考書を読んで難しいという先入観を持ち、環境構築に手間取るとやる気を失くしてしまう) - 大量のエラーに心が折れる
(英語で表記されるエラーを理解し、問題の箇所を見つけ出し、
解決する方法を調べることを億劫に感じてしまう) - プログラミング言語以外にも各種ツールやネットワーク、サーバーなどの知識も必要
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プログラミング言語の勉強は、これまで行ってきた学校での学習とは違ったやり方で取り組まないと、挫折する可能性が高くなります。

目に見える実績が求められる
未経験でITエンジニアとして採用されるには、目に見える形で提示できる実績を求められることがほとんどです。そのためITエンジニアになるための就職活動では、履歴書・職務経歴書の他に、ポートフォリオを用意する必要があります。
ポートフォリオとは、スクールや独学、副業などで制作したシステムや試作アプリなどをまとめたものです。
ポートフォリオはスキルを証明するものなので、掲載する実績には一定以上のクオリティが求められ、どのような創意工夫を加えたのかなどが問われます。
新卒でITエンジニアとして就職するケース以外では、ポートフォリオに掲載できる実績を用意することが必須です。ただ価値のある実績を用意するにはそれなりの労力が必要なため、億劫になって諦めてしまう人も多いです。
実質の年齢制限がある
未経験でITエンジニアを目指す場合、基本的に年齢制限はありません。ただ実質的な年齢制限はあると考えておいた方がいいでしょう。IT業界は進歩が早く変化の激しい業界なので、若年層の人材を求める傾向にあるからです。
一般的に30歳を超えていると、未経験でITエンジニアとして採用されにくい傾向にあります。
そのため、現在、30歳に年齢が近い人は急いで準備することをおすすめします。
すでに30歳を超えている人は、企業への就職活動を行うと同時に、クラウドソーシングなどで積極的に実績を積み上げてフリーランスを目指すのも一手です。
今は企業の未経験者募集が減って経験者採用が主流になっている
新型コロナウイルスの流行以降、エンジニア未経験者の採用を控えて即戦力になるエンジニア経験者を積極的に採用する企業が増えています。
もともと、それ以前からこの傾向は強くありましたが、近年は特に20代後半~30代前半の即戦力を求める企業が多くなっています。
その理由として、日本では受託開発(クライアントから依頼を受け、意向に沿ってシステムやサービスを開発すること)が一般的なので決められた納期でシステムを完成させなければならないケースが多いからです。
受託開発では、以下のような理由で納期がタイトになることが多いです。
- 作業に遅延が生じる
- 重大なバグやエラーが起こる
- クライアントから新たな要望が入る
もちろん、スケジュールは余裕をもって組みます。しかし、上記のような内容が重なると対応に時間を取られることになり、納期に余裕がなくなるケースが多いのです。そのため、企業側はこのような状況に対応できる人材を常に確保しておくために、経験者の採用を重視するのです。
未経験からITエンジニアになるための学習方法

未経験からITエンジニアになるには、知識やスキルを効率よく吸収する必要があります。そのためには、自分に合った学習法を早く見つけて実践することが大切です。
ITエンジニアになるための学習法には主に以下の方法があります。
- 学習サイトで学ぶ
- プログラミングスクールで学ぶ
- SNSでの情報収集やエンジニアのコミュニティサイトに参加する
- SESや派遣などの現場で働きながら学ぶ
1つずつ解説します。
学習サイトで学ぶ
現在、ネット上にはプログラミングを学べるサイトが数多くあります。これらのサイトを利用すれば、独学でプログラミングを学ぶことが可能です。
代表的なサイトにプロゲート(Progate)やドットインストール、Udemyがあります。
まったくの未経験で学習を始めるならプロゲートをおすすめします。プロゲートならサイト内に最初からコーディング環境が用意されているので、自分で環境構築することなくコードを書いて表示を確認することが可能です。
ドットインストールやUdemyでは動画でプログラミングを学べます。基礎の部分はもちろん、より専門的な部分まで幅広く学習できるのが特徴です。
また弊社では、オンライン学習サービスCyTechを運営しています。プログラミング言語を中心に、IT現場のニーズを詰めたカリキュラムとなっており、体系的に学ぶことができます。
未経験からITデビューの実績を出しているCyTechを利用することも一つです。
プログラミングスクールで学ぶ
効果的なカリキュラムに沿って講師からしっかり学びたいなら、プログラミングスクールを受講するのもおすすめです。無料カウンセリングを行っているスクールも多く、受講前にさまざまな悩みや疑問を相談できます。
自分が学ぶべき言語や知識、ITエンジニアとして目指すべきキャリアなどが明確になると学習へのモチベーションも上がるでしょう。
また、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとしてのスキルを証明できる資格の取得をサポートしてくれるスクールもあります。就職支援をアピールポイントとしているスクールも多いです。
ITエンジニアの学習を独学で行う場合、途中で挫折してしまう人も多いですが、スクールを受講していれば継続できる環境が整っています。
SNSでの情報収集やエンジニアのコミュニティサイトに参加する
SNSでは、多くのITエンジニアがプログラミングや仕事に役立つ情報を発信しています。自分が学習している言語や悩んでいるエラーの内容でハッシュタグ検索すれば、思わぬ情報や有益な回答が見つかることもあります。
また求人情報や副業・フリーランス向けの案件募集情報もタイムラインに流れてくることがあるので、未経験で応募できる案件をチェックするのもおすすめです。実際、X(旧Twitter)で仕事を手伝ってくれる人を募集する投稿をよく見かけます。
SNS以外では、Qiitaやteratailのようなエンジニア向けのコミュニティサイトがあります。これらのサイトに登録し、交流できる現役エンジニアや学習中のユーザーを探すのもおすすめです。
SESや派遣などの現場で働きながら学ぶ
独学を継続しつつ、SESや派遣のエンジニアとして仕事をしながら知識やスキルを磨く方法もあります。SESや派遣は実務未経験でも採用されやすい傾向にあるため、エンジニアの現場に慣れておく意味でもおすすめです。
ちなみに、SESとは「System Engineering Service」の略で委託契約の一つです。システム開発に関連する特定業務に対し、エンジニアとしての技術力を提供します。
SESと派遣の違いは指揮命令権です。派遣の場合、指揮命令権は派遣先にありますが、SESの場合、指揮命令権はベンダー側(派遣でいうところの派遣元)にあります。
SESと派遣のデメリットとして、常に自分がやりたいプロジェクトに関われるわけではないことが挙げられるでしょう。雇用される企業や派遣先によって、研修やサポートの内容もレベルも左右されます。
業務内容も、テスト業務や雑務ばかりのプロジェクトに回されることもありますが、いろいろな業界やプロジェクトで経験を積むことができるので、自分の目的に合致しているプロジェクトかどうかをしっかり見極めて就労するかどうかを決めましょう。

ITエンジニアに転職するときに押さえておくべきポイント

未経験からITエンジニアになるには、効果的な学習を継続する他に押さえておくべきポイントがあります。
内容は以下のとおりです。
- ビジネスマナーを磨いておく
- 転職希望先の企業をしっかりリサーチしておく
- 副業エンジニアとして実績を積んでから転職活動を行うのも一手
1つずつ解説します。
ビジネスマナーを磨いておく
未経験からITエンジニアになるには、プログラミングスキルやシステム関連の知識とともにビジネスマナーも必要です。挨拶の仕方やメールの書き方、敬語の使い方など、社会人として最低限のビジネスマナーを身に付けておかなければ採用に至るのは難しいからです。
他にも開発現場ではチーム開発が主流となるので、「コミュニケーション能力」や「対人スキル」も重要視されています。
年齢にもよりますが、未経験者を募集している企業では、プログラミングやITスキルの基礎を身に付けていれば入社の熱意は伝わります。あとはビジネスマナーで減点されないよう気を付ければ、採用される可能性は上がります。
転職希望先の企業をしっかりリサーチしておく
転職希望先の企業をしっかりリサーチしておくことも大切です。
特にリサーチしておきたい内容は以下のとおりです。
- 自分が希望するエンジニア職として働けるか
(自社開発を行う会社か?SESを主体としている会社か?将来的に自社内開発に携われるビジョンはあるのか?など) - 教育体制はどうか
- 待遇面はどうか
- 自分の望むキャリアプランを実現できるか
上記のリサーチが甘いと転職してから後悔することにもなりかねません。リサーチ量が十分であれば、説得力のある志望動機の作成にも役立ちます。
副業エンジニアとして実績を積んでから転職活動を行うのも一手
ある程度のスキルや知識を身に付けた時点で、副業エンジニアとして活動するのもおすすめです。先述の通り、未経験でITエンジニアになるには実績を必要とするケースが多いからです。学習のアウトプットもかねて副業に積極的に取り組めば、価値ある実績も手に入るでしょう。
副業と転職活動を両立させれば、エンジニアとしての実務に触れながら転職活動ができます。そうなれば、仮に転職活動がうまくいかなくても、副業の実績と伝手を生かしてフリーランスとして独立も可能です。
将来のキャリアプランに複数の選択肢を用意しておけば、転職活動にもゆとりをもって取り組めます。

まとめ

未経験からITエンジニアになるのは確かに難しいですが、方法がないわけではありません。現在は独学できるサイトやプログラミングスクールが豊富にあるので、学習する環境は整っています。
情報収集も検索して調べる他、SNSやコミュニティサイトで交流・質問することが可能です。
実績を作るのも、現代はクラウドソーシングやSNS上でのプロジェクト募集もあるので、多くのチャンスがあります。クラウドソーシングやSNSで実績を獲得しつつ、転職活動を行うことも可能です。
このように、未経験からITエンジニアを目指す場合、さまざまな選択肢や方法があります。
今、ITエンジニアに挑戦するか悩んでいる人は、まず自分のなりたいエンジニア職について調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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