よく耳にする「Git」って結局何!?初学者が最初に知っておきたい基本のキ

「Gitって何ができるの?」

「Gitの使い方は?」

「Git(ギット)」という言葉を聞いたことがあっても、「実際に何ができるのか」「どうやって使うのか」が分からないという初学者は多いはず。Gitはプログラミングやチーム開発に欠かせない“バージョン管理ツール”です。本記事では、Gitの基本的な概念から使い方、学習リソース、さらには実践的な練習方法まで、初学者が知っておきたい「基本のキ」をわかりやすく解説します。

1. Git入門:初学者でもわかる基本概念

目次

1-1. なぜ”今”Gitを勉強することが重要なのか

現代のソフトウェア開発では、複数人での協業が当たり前。その中で、コードの変更履歴を追跡し、過去の状態に戻せる仕組みが必要不可欠です。Gitは、Google、Microsoft、Metaなど、世界中の企業が採用している標準的なツールであり、フリーランスでもチーム開発でも重宝されます。Gitを学ぶことで、将来的なキャリアの選択肢が一気に広がります。

1-2. 初学者のためのGitの基本

Gitとは、**「バージョン管理システム」**の一種です。

たとえば、あなたがWordでレポートを書いているとします。間違えて文章を消してしまったり、昔の状態に戻したくなったことはありませんか?
Gitは、プログラミングでそれと同じように「履歴を残して、好きなところに戻れる」ツールです。
しかも、自分だけでなく、複数人が同じファイルを編集しても、それぞれの変更をうまく管理してくれます。

WordやExcelでもファイルの上書きをしてしまうと元に戻れなくなりますが、Gitを使えばいつでも好きな状態に「巻き戻し」できます。

主な特徴は以下の通りです:

 ・コードの変更履歴を記録できる。
 ・チームでの作業がスムーズになる。
 ・複数の開発バージョン(ブランチ)を同時に扱える。

     ※ブランチとは?

     作業の内容ごとに「道」を分けて進めるようなイメージです。
      例えば、ログイン機能の開発と、デザインの修正を別々に進められるようになります。

2. よく現場で使用されるGitコマンド例

チームで開発するときには、Gitを使うのが当たり前。

ここでは、実際の現場でよく使われているGitコマンドを、「何のために使うのか?」とあわせてわかりやすく紹介します。

2-1.ブランチを使って作業を分ける

新しいブランチを作って、そのブランチに移動する。

   git checkout -b feature/login-form

説明:feature/login-form というブランチを新しく作り、そこに移動する。

他のブランチに移動したいとき

   git checkout develop

説明:develop というブランチに移動します。

今あるブランチの一覧を見たい

          git branch

説明:自分のパソコン上にあるブランチの名前を一覧表示してくれます。

2-2.ファイルの変更を記録するcommit(コミット)

commit(コミット)とは?
Gitは「いつ」「どんな変更をしたか」を記録することができます。

ファイルを記録の対象に追加して、コメントをつけて保存する。

       git add .

       git commit -m “ログイン画面のデザインを修正”

説明:git add .:すべての変更を記録対象にする。
git commit -m “コメント”:その記録にコメント(メモ)をつけて保存します。

コミットメッセージを変更したいとき

       git commit –amend -m “変更したいメッセージに変更”

説明:git commit –amend -m “変更したいメッセージ”:その記録にコメント(メモ)をつけて保存します。

2-3.他の人の作業と合体させるmerge(マージ)

他のブランチの内容を自分のブランチに取り込む。

  git checkout develop

  git merge feature/login-form

説明:develop ブランチに移動して、feature/login-form ブランチの内容を取り込みます。

2-4.作業を一時的に保管するstash(スタッシュ)

まだ保存(コミット)したくないけど、別の作業をしたいとき

  git stash

説明:今の作業を一時的にしまっておけます。

 また作業を戻すとき

  git stash pop

説明:git stashの前の修正に戻ります。

2-5.間違えたときのリセット

前の状態に戻す

  git reset –hard HEAD^

説明:このコマンドは「直前の記録commit(コミット)」を削除してしまいます。チームで作業しているときには絶対に使う前に確認しましょう。

3. Gitの勉強方法:段階的に学ぶステップガイド

3-1:手を動かしてみよう

Gitの理解には、実際に操作してみることがいちばんの近道です。
まずは開発環境を整え、簡単なコマンドを試してみましょう。

 ・まずはGitが使える環境(VS Code + Git)を用意する。

 ・仮のプロジェクトで、Gitのコマンドを使ってみる。

ポイント:「コマンドの意味がわからない…」という段階でもOK。最初はとにかく数回実行してみることで、自然と感覚がつかめてきます。

3-2:学習サイトを活用する

自己流で進めるよりも、解説付きの学習サービスを使うと効率よく学べます。以下は特に初学者におすすめのサービスです。

Progate:スライド形式でわかりやすく解説。Gitの基礎を楽しく学べる。

GitHubのLearning Lab:実際のGitHub操作を通して習得できる実践型。

 ・YouTubeやドットインストール:3〜10分の動画で手軽に学習できる。

ポイント:画面を見ながら一緒に操作できる教材を選ぶと、定着率がグンと上がります。

3-3:実際のチーム開発で体験する

習った知識を実際のフローで使ってみると、一気に理解が深まります。最初は小さな変更でもいいので、チーム開発の流れを体験してみましょう。

  ・GitHubでプルリクエストを作ってみる。

  ・clone(クローン)→ 修正→commit(コミット)→ push(プッシュ)→ プルリクエスト、の流れを経験する。

ポイント:知識として理解するだけでなく「手を動かして、他の人とやりとりする」という経験が、実務でのGit活用に直結します。

4.  Gitで躓くQ&A

Q.もし「conflict(コンフリクト)=ぶつかり 」が起きたら?

Gitで複数人が同じファイルを同時に編集して、それぞれが変更を保存しようとすると、どの内容を優先すべきかわからなくなってしまうことがあります。

この「ぶつかり」が**conflict(コンフリクト)**と呼ばれるものです。

例)あなたが develop ブランチで index.html を編集して保存commit(コミット)します。

  1. 同じタイミングで、チームの誰かも index.html を編集して、先にリモートにpush(プッシュ)しました。
  2. あなたが git pull しようとしたら…
    → 「同じ行が違うように編集されてる!」とGitが気付きます。

その結果、「自動でマージできません。どっちの変更を使えばいいかわかりません」とGitが判断し、コンフリクトが発生します。

コンフリクト(conflict)が起きた時の表示例

  <<<<<<< HEAD

  <h1>こんにちは!</h1>

  =======

   <h1>Hello!</h1>

  >>>>>>> origin/develop

説明:<<<<<<< HEAD:自分が加えた変更
   =======:ここで内容が分かれている
   >>>>>>>:相手(リモート)の変更内容

解決方法

1.対象ファイルをエディタ(vscodeなど)で開く
conflict(コンフリクト)のマーカー(上の記号)が入っているところを探します。
どちらの変更を残すか決める
  A:自分の変更を優先したい
  B:相手の変更を使いたい
  C:両方を組み合わせて新しい内容にする ←よくあるパターン

  マーカーを削除して、最終的な内容だけを残す。

  例:Cパターンの場合
  自分:こんにちは!相手:Hello!を追加していた場合

  <!– 解決前 –>

  <<<<<<< HEAD

  <h1>こんにちは!</h1>

  =======

  <h1>Hello!</h1>

  >>>>>>> origin/develop

  <!– 解決後 –>

  <h1>こんにちは!Hello!</h1>

2.修正したファイルを add する

  git add index.html

 説明:git addは指定ファイルのみ記録対象にする。

3.マージを完了させる

  git commit -m “Merge conflict resolved”

  説明:git commit -m “コメント”:その記録にコメント(メモ)をつけて保存します。

Q.「Git」と「GitHub」の違いは?

・Git:ローカルでバージョン管理を行うツール。
・GitHub:Gitのコードを共有・保存できる「クラウドサービス(Webプラットフォー ム)」。

 プロジェクトをチームで管理するときは、Git(ローカル操作)とGitHub(共有操作)を連携させて使うのが基本です。

Q.Gitで間違ってファイルを削除してしまいました。元に戻せますか?

       git checkout HEAD — ファイル名

 説明:直前の状態(HEAD)にあるファイルを復元します。間違って消してしまったファイルも元に戻せます。

5.まとめ

Gitは一見難しそうに見えるかもしれませんが、仕組みを理解すれば非常に頼もしいツールです。
この記事で紹介したように、Gitは「ファイルの過去の状態に戻せる」「チームでの作業を安全に進められる」「複数の作業を同時に進められる」など、多くのメリットがあります。

また、よく使うコマンド(git addgit commitgit branchgit merge など)は用途が明確なので、一度覚えてしまえば、日々の作業で迷うことは少なくなります。さらに、GitHubなどのリモートリポジトリと連携すれば、チームでの共同開発はもちろん、自分の成果物を世界中に公開することも可能になります。

Gitの最大の魅力は、「未来の自分を助ける履歴を残せること」です。間違ってコードを消しても、何をどう変えたかをあとから確認できる安心感は、エンジニアにとって大きな武器になります。また、コンフリクトのような壁にぶつかったとしても、丁寧に解決方法を学ぶことで、よりスキルが深まり、開発者としての自信にもつながっていきます。

これからGitを使い始めるあなたにとって、本記事が「最初の一歩」となり、学習の道しるべとなれば幸いです。小さな練習からでも構いません。一歩ずつ確実にGitに慣れていき、将来のチーム開発やキャリアの幅を広げていきましょう。

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著者情報

IT企業のオウンドメディア運用チームです。世の中のIT初心者にも、ITオタクにも、ITエンジニアに関する情報をわかりやすく、かつ面白く伝えたい。TechBridge(テックブリッジ)をIT業界で一番分かりやすいメディアにします!

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